広州乗り継ぎで国内線へ
セブから広州へ到着後、国内線に乗り継ぎます。入国審査を終えると、通常ならそのまま手荷物受け取りターンテーブルに向かうところですが、国内線に乗り継ぐ場合はその手前で国内線への乗り継ぎ客用の保安検査場があるので、そちらに向かいます。やはり中国一のメガキャリアのハブ空港だけあって、乗り継ぎ客は思ったよりも多いです。
保安検査の手前は広いスペースがとられており、ベンチが並べられています。スナックや常温のジュースが置かれていて、軽く休憩することも可能。このような場所がある空港は初めて見ました。
中国国内線はいつも高い搭乗率
保安検査を過ぎると、だだっ広いコンコースを通ってゲートエリアに向かいます。この第2ターミナルは2018年に開業したばかりなのでとてもキレイ。とにかく広いので、万が一のゲート変更もあるかもしれないと思うと、何度も出発案内板を確認してしまいます。搭乗券はセブでもらったもので、ゲート番号もその段階では確定していなかったということもあり空欄になっています。
飛行機は前便と同じくB737-800。中国の国内線はほとんどがB737やA320などのナローボディ機。たまに大型機も入りますがこれはあくまでも国際線機材が間合い運用で投入されているだけで、国内線専属の大型機というとそれほど多くない。それでも中国の航空需要はまだまだ伸びると言われているので、かつての日本の国内線のように、需要や発着枠の問題を解決するために、B747SRやB747-400Dのような多頻度運航に耐えられる特別仕様機が出てくるかもしれないし、あるいは独自に大型機を開発してしまいそう。
シップは遅れて到着し、大急ぎで折り返し準備を行い、30分足らずで搭乗開始となりました。「早く乗せろ!」と言わんばかりにビジネスクラスも上級会員も関係なく、皆我先にゲートに殺到し、係員も実際は誰でも通してしまいます。
「最近の飛行機に乗るような中国人は、ちゃんと列に並ぶしマナーも良くなった」と聞く機会もありますが、ただ単にせっかちなだけで、搭乗開始時刻前になったら係員の誰に言われるまでもなく勝手に並び始めるだけ。人の多い中国では他の先進国のように律儀に順番を守ったり気を遣ったりしているようでは、いつまでたっても自分の目的を達成できない。なので周りの人の事などどうでもよく、我先に行動しなければいけないわけで、その場所が空港になっただけの話。そうした習慣に慣れない私たち外国人はモタモタしていると横入りされたり、肘鉄を喰らったりと、中国の洗礼を浴びることになります。でも自分が先に乗ったところで、自分だけ先に飛べるわけじゃないんですけど。
この機体もビジネスクラスは最前列のみの4席。セブ〜広州と同じシートレイアウトながら、座席はこちらの方がやや古いようで、背もたれも厚く、シートポケットも下部のみ、USB電源も付いていない。 1列のみのビジネスクラスとか、逆に狭くて窮屈感がありそうで実際快適かどうかは微妙なところ。足元に荷物も置けないし。
シートポケットには機内誌などがしっかりと入っています。
搭乗率はほぼ満席。中国の国内線は何度か乗っていますが、旺盛な需要があるようで、未だにガラガラの便に乗ったことがありません。ただ客層は日本とだいぶ違っていて、スーツ姿のビジネスマンはあまり目立たず、ラフな格好をしている人の方が圧倒的に多いです。仕事というよりも移動のため、というような感じ。今までは鉄道を使って何時間もかけて旅していたけれど、所得が上がったことで、飛行機を使う事が出来るようになった、というような人も大勢居そう。中国の経済成長は鈍化したというニュースはよく見かけるものの、中国での航空需要はこれからもある程度は伸び続けるのではないかと思います。
郷土料理?の機内食
すっかり夜の帳が下りた広州空港を離陸すると、北西方面へ針路を向け、一路西安へ。飛行時間は約2時間。中国南方航空では国内線でも機内食を提供することをポリシーとしていますが、このフライトでもしっかりと機内食が提供されるようです。
通路側で夜間フライトという、搭乗記を残したい身にとっては圧倒的に不利な条件という事で、特に写真を撮ることもなくのんびりしていると、客室乗務員がカートを引っ下げてやって来て、機内食がサーブされます。
「Pork & Noodle」をチョイスすると、イメージと違ったものが…。ボックスの中のパンと干しブドウはいいとして、メインを開けると「なんじゃこれ?」というのが最初の感想。よく見るとトッポギのように見えるものはぶっ太いきしめんのようなものを丸く巻いてカットしたやつで、食べてみるとしっかりと麺の味。興味が湧いたので帰国後になんていう名前の料理なのか調べてみたものの未だに分からずじまい。でも中国全体でポピュラーな料理というよりも明らかに郷土料理なのは間違いなく、このような料理を提供してくれると旅している気分が盛り上がります。誰かこの麺料理の名前を知ってる方はいませんか?
機内アナウンスによると、到着地西安の気温は-3℃。常夏のセブからやってきて、気温28℃の広州を経由し、氷点下の西安へ。そんなに長距離を移動しているわけではないのに、30℃以上の気温差を味わえるというのは、とても新鮮な感覚。それを体験させてくれる飛行機は、やっぱり凄い乗り物だと改めて思いました。
機内誌を読んだり、新聞を読んだりして過ごしているうちに、飛行機は着陸態勢に。そして21時28分、飛行機は西安咸陽国際空港に到着。気温が氷点下なのはいいんですが、ここでもまさかの沖止め。ボーディングブリッジでの降機を想定して薄着で乗り込み、ジャンパーもスーツケースに入れて預けてしまったので思わず身震い。寒いのでジャケットを羽織ったクルーに見送られて飛行機を後にしましたが、搭乗機をキレイに撮影できたので満足です。
寒〜いバスに揺られ、ターミナルで手荷物を受け取ると、すぐに上着を取り出しました。
西安は中国の中では拠点となる空港。国際線のネットワークは限られていますが、国内線は多くの便が発着していて、到着ロビーは大変混雑していました。
中国の国内線は昔から、機内や空港での乗客のマナーの悪さや、サービスレベルの低さが問題だと日本では言われ続けています。でも今の中国の航空会社は飛行機も新しく、クルーの対応も良く、且つCAさんも可愛い人ばかりだし、乗り合わせる乗客も、そこまで低俗な輩はいません。空港や搭乗直後こそガヤガヤしていても、飛び立ってしまえばみんな静か。たまに「ハズレ」の乗客がそばにいることがあるものの、それは別に「中国だから」というものではなく、日本を含めどこでもあり得ること。逆にCAの言うことを無視したり、CAに横柄な態度で接したり、無茶な要求をしたりする「ハズレ」は、むしろ日本のエアラインの、日本人乗客の方が目立つ気がします。
中国南方航空は国内線でも基本的には食事を提供し、機材においてもJALやANAよりも新しい機材を揃えて、クルーのホスピタリティーも高い。もはや日本のエアラインが勝てるのは、「定時運航率」だけになってしまう日もそう遠くないと思います。
搭乗日 | 機種 | 登録記号 |
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2019年12月30日 | B737-800 | B-5676 |